持続可能なイカの養殖技術 (No. 0199)
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概要
イカ含む水産物の養殖では、生産性を高め安定的に市場に供給できるよう定期的な補充、餌付け、外敵からの保護など、飼育過程への人工的な介入を行います。多くの文化圏において魚介類は伝統的に食されており、また、タンパク質、脂肪酸、ビタミン、ミネラル、必須微量栄養素の供給源として栄養面でも優れた食品です。このような食用目的の他に、タコやイカなど絶滅や個体数減少の危機に瀕している種を保護するためにも養殖技術は活用されています。しかし、イカは攻撃的な行動、水流に対する敏感さ、餌の好み、特異な繁殖方法などが原因で、養殖が非常に困難な生き物です。この度OISTの研究者チームは、何世代にもわたって持続可能な飼育を実現する、画期的なイカの養殖システムを開発しました。
応用
- 食用
- 研究用
利点
- 持続可能な養殖
- 多世代に渡る繁殖
- 生餌を減らすことが可能
技術のポイント
この新しいイカの養殖システムの主な特長は以下の通りです。
1. 繁殖システム - 雌雄分離、人工受精、卵の孵化
2. 給餌システム - 死餌の解凍・準備、早期に死餌を導入し慣れさせる、食べ残しを直ちに除去
3. 飼育システム - 水質、個体密度、水流の維持、水槽の設計
この養殖システムを使うと、多世代のイカの飼育が可能となり、1年を通して持続的に食用イカを供給できるようになることが期待されます。
メディア掲載・プレゼンテーション
問い合わせ先
Graham Garner
技術移転セクション
tls@oist.jp
+81(0)98-966-8937