今まで見えなかったタンパク質の構造をリアルタイムで可視化(No. 0201)

 
<< 技術一覧に戻る

概要

これまで見られなかったマイクロサイズのタンパク質構造を、電子顕微鏡で直接かつリアルタイムで可視化できる方法。

世界のタンパク質イメージング市場規模は、2025年までに17億米ドルに達すると予測され、年平均成長率は8.9%です。この市場の成長は、タンパク質治療薬の導入が進んでいること、タンパク質イメージング機器や消耗品の技術が進歩していること、小型化への関心が高まっていることなどに起因しています。しかし、現在の技術では、生物学的に重要なマイクロサイズの膜タンパク質を鮮明にイメージングすることはできません。今回、新竹教授らのグループが開発したイメージング法では、透過型電子顕微鏡で静止したタンパク質分子に螺旋状の電子ビームを掃引させます。この電子ビーム掃引と検出器を使い、マイクロサイズの構造をリアルタイムで可視化します。

 

教授:
新竹 積

量子波光学顕微鏡ユニット

応用

  • タンパク質のイメージング
  • 創薬

 

利点

  • 微小タンパク質粒子のイメージング
  • リアルタイム・イメージング
  • 直接分析

   

     画像クリックで拡大

技術のポイント

本技術は、マイクロED(微結晶電子回折)の技術を改良して、タンパク質結晶中の分子配列の高解像度画像を取得し、ブラッグ回折の位相を構造位相に変換した後、ビームエキスパンダーで干渉縞を拡大し、エワバルト球と格子点に基づいて画像を出力します。電子源、アングルスキャンコイル、ビームエキスパンダー、検出器を中心に構成される新しい方法で、微小結晶のダイレクトイメージングを実現します。この構成では、ビーム拡張のためのデスキャン(de-scan)コイルを必要としません。

 

メディア掲載・プレゼンテーション

 

問い合わせ先

  Graham Garner
技術移転セクション

  tls@oist.jp
  +81(0)98-966-8937