リチウム硫黄電池用の新規カソード (No. 0203)

 
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概要

高エネルギー容量と長期サイクル安定性を同時に実現するリチウム硫黄(Li-S)電池用の新規カソード。

Li-S電池の世界市場規模は、年率29.6%で66億米ドルに達すると予測されています。軽量でエネルギー密度の高い電池の需要が高まっていることから、Li-S電池は主に航空、自動車、電子機器、電力・エネルギー分野で使用されると予測されています。しかし現在のLi-S電池には、硫黄負荷や、多硫化物の溶解およびシャトリングの問題があります。ヤビン・チー教授率いる研究者グループはカーボンナノチューブ(CNT)スポンジの表面に、TiNとTiO2の層を最適に蒸着した優れたカソードを開発しました。このカソード構造により、Li-S電池に特有の上記の問題点を克服し、面容量(エネルギー密度)の向上と長期サイクル安定性を同時に実現しました。

 

教授:
ヤビン・チー

エネルギー材料と表面科学ユニット

応用

  • リチウム硫黄電池

 

利点

  • 高い面容量
  • 長期サイクル安定性
  • 高い硫黄負荷

 

技術のポイント

本技術では、3次元(3D)導電性カーボンナノチューブ(CNT)スポンジスカフォールド上に、原子層堆積法(ALD)を使って正確にカソードTiN-TiO2ヘテロ構造層をデポジットします。ALD法によるTiN-TiO2ヘテロ構造は、ナノメートルスケールで最適化することが可能です。その結果,リチウム硫黄電池において,長期サイクル安定性(1.0チャージレートで500サイクル後に85%の容量維持率)と高い面容量(0.2チャージレートで20.5mAh cm-2)を達成しました。

 

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