ピロリジン-3-カルボン酸誘導体(β-プロリン誘導体)(No.0106)

 
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概要

医療への応用が期待できるピロリジン-3-カルボン酸誘導体(β-プロリン誘導体)。

プロリンの世界市場規模は、現在約2億6800万米ドルであり、年平均5.2%成長し3億6300万米ドルに達すると予測されています。ピロリジン-3-カルボン酸誘導体は、生物活性物質、化学変換の触媒、およびその構成要素として重要な分子です。これらの生理活性物質の中には、酵素阻害剤などの治療用医薬品に使用されているものもあります。しかし、これまでに知られている合成法は、非常に時間がかかり、複雑なプロセスを必要としていました。田中富士枝教授を中心とする研究グループが開発した新規のβ-プロリン合成法は、上記の課題を解決して、わずか2ステップの短時間かつシンプルな方法で新規誘導体の合成を可能にします。

 

教授:
田中 富士枝

生体制御分子創製化学ユニット

応用

  • 治療薬
  • 創薬
  • 添加剤

 

利点

  • 低温での短時間かつシンプルな2ステップ合成
  • 市場で入手可能な出発材料
  • 高い立体選択性

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技術のポイント

化学的にも生物学的にも重要なピロリジン-3-カルボン酸誘導体の新規合成法で、ピロリジン-3-カルボン酸誘導体の合成に有用な、エノエートとニトロアルカン(入手が容易な材料)を出発材料とする高選択的有機触媒マイケル反応を発見しました。このマイケル反応を用いることで、低温でわずか2回の簡単なステップで短時間に合成が可能となりました。

 

メディア掲載・プレゼンテーション

 

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