新規医薬合成物質(スピロオキシインドール類)の合成(No.0023)
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概要
キラルなスピロオキシインドール骨格は、様々な生理活性アルカロイドに含まれています。また、合成スピロオキシインドールは、抗がん作用、抗炎症作用、鎮痛作用など幅広く研究されており、多くの医薬品候補が臨床試験中で、有望な結果も得られています。しかし、現在の金属触媒を用いた合成法は複雑な反応条件を必要とし、また、ケトンのアルドール反応による第4級炭素中心の合成は、反応が可逆的であるため、高い収率と立体選択性がほとんど得られません。田中富士枝教授率いるOISTの研究チームは、上記の問題を克服し、入手しやすい出発物質から新規スピロオキシンドール誘導体を温和な条件で効率的かつ立体選択的に合成する新規合成法を開発しました。
応用
- 生理活性物質
- 医薬品開発
利点
- 高い収率と立体選択性
- 温和な条件
- ワンポット反応
技術のポイント
本プロトコルでは、エナミン生成反応にエノンを用い、アルドール反応後にオキシマイケル付加反応を可能とする触媒系を開発しました。ワンポットでアルドール-オキシマイケル反応(すなわち、形式的ヘテロディールス・アルダー反応)を行うため、アルドール反応の立体選択性が保持されます。この合成法は、有機触媒を用いた不斉アルドール-オキシ-マイケル反応に成功した初めての例であり、第4級炭素中心を有する官能性テトラヒドロピラン誘導体を高収率、高ジアステレオおよびエナンチオ選択性で、温和な条件で合成することが可能となります。
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