入居企業インタビュー:ジャパンプレミアムベジタブル株式会社

ジャパンプレミアムベジタブル株式会社
COO 吉田重信氏

貴社の事業内容について教えてください。

ジャパンプレミアムベジタブルでは、高温多湿地域でのイチゴやトマトの安定的な栽培を可能にするICT技術を活用したグリーンハウスの設計と、栽培管理・指導サービスを主としたアフターフォローをパッケージ化して提供しています。2016年に石垣島ではじまった農水省の研究事業の成果を事業化するために、事業に参加していた有志のメンバー4名で2022年に立ち上げました。

過酷な環境でも野菜を安定的に生産する技術を広げ、輸出入制限のある東南アジアや、地球温暖化が進んだ将来の日本でも、日本が誇るおいしい野菜を届けることを目指しています。

現在は実証実験段階ですが、インドネシアでの商談も始まっています。来年には沖縄本島とインドネシアでトマトやイチゴの栽培システムの販売を開始したいと考えています。

OISTイノベーションインキュベーターに入居した理由を教えてください。

会社設立時に融資を受けた沖縄振興開発金融公庫からの紹介がきっかけです。沖縄で開発された技術を沖縄から広げたいこと、東南アジアへのアクセスの良さから、沖縄に拠点を置きたいと考え、入居を決めました。

OISTイノベーションインキュベーターの現在の利用方法を教えてください。

4名のメンバーのうち、沖縄在住は2名です。私が主にオフィスを利用するため、オフィスエリアにデスク1台を契約し、週に4日出勤しています。他のメンバーが来た際には会議室を利用することもあります。現在の研究拠点はインドネシアなので、ラボは利用していません。将来はOIST近傍に研究圃場を設置し各種分析装置等も活用させていただければと考えています。

OISTイノベーションインキュベーターに入居するメリットとして感じていることを教えてください。

OISTのネットワークへのアクセスは大きなメリットだと感じています。沖縄銀行の方が定期的に相談窓口を開いているので、融資に関する相談もスムーズに行えましたし、県内のイチゴ農家さんを紹介していただくこともできました。OISTが主催するイベントに参加したことをきっかけに、県内企業との情報交換の機会も増えています。

また、他の入居企業との交流もあります。例えば、レキサン社からは業務委託の人材を紹介していただき、EFポリマー社からは資材を購入させてもらってテストを行っています。どんな企業にOISTイノベーションインキュベーターへの入居をおすすめしたいですか?

どんな企業にOISTイノベーションインキュベーターへの入居をおすすめしたいですか?

オフィスにかかる費用を抑えられるので、設立間もないスタートアップ企業に特におすすめです。また、OISTのネットワークを活用したい企業や、OISTの研究室と共同プロジェクトを行いたい企業にとっても魅力的な環境ではないでしょうか。また当社の観点からは、連携できるような農業系のソリューションを持つ企業の入居も歓迎です。

OISTイノベーションインキュベーターに今後期待することがあれば教えてください。

OISTの研究室との連携にも興味があるので、新しいインキュベーターが建つことで人の行き来が増え、研究者の方と接する機会が増えればうれしいです。また、OISTのネットワークが一層広がることや、会議室が増えて利用しやすくなることにも期待しています。

(取材日:2024年7月19日)

▶ジャパンプレミアムベジタブル株式会社: http://www.jpveg.co.jp/