全光学式ナノポジショナー (No. 0126)

 
<< 技術一覧に戻る

概要

ナノテクノロジーは、Internet of Nano Things (IoNT)、ナノスケール機器、機械に使われており、ナノポジショナ―(位置決めシステム)は光学、自動車、産業機器など幅広い用途で利用されています。しかし、既存の機械式ナノポジショナーには、早期摩耗、低感度、低い調節可能性などの問題があります。Sile Nic Chormaic教授を中心とする研究グループは、レーザー光によって引き起こされる光ファイバーの熱膨張を利用したナノポジショナーを開発しました。

 

教授:
シーレ・ニコーマック

量子技術のための光・物質相互作用ユニット

応用

  • ファイバーチップを用いたデバイスのナノスケール位置決め
  • ナノ・化学・バイオセンシング
  • フォトニック回路

 

利点

  • 全光学的なナノポジショニング
  • 高精度な調整機能
  • 高感度

    画像クリックで拡大

技術のポイント

本技術は、ウィスパリング・ギャラリーモード(WGM)の応用です。WGMとは、ガラス球の内側のような凹面を伝わる波の一種で、もともとはセント・ポール大聖堂のささやきの回廊での音波に関連して発見された現象ですが、光や他の種類の波でも存在し、非破壊検査、レーザー、冷却、センシングから、天文学にわたるまで、多くの分野で重要な応用が期待されています。OISTでは、WGMの原理を利用して、ナノメートルサイズの調節可能なカップリングを行う方法を開発しました。微小球ステムのユニークな製造方法や、外部レーザーによる加熱、シングルモード光ファイバーの熱膨張から生じる熱・力学的効果を活用するものです。シリカファイバーに集光レーザーを照射しシリカ微小球を作成する際、ファイバー下部に小さな重りを取り付けることで、加熱時に微小球のステムとなるユニークなテーパー部が形成されます。このシステムにより、マイクロ共振器と導波路の間のカップリング距離をナノメートル分解能(4-17 nm/mW)で光学的に制御でき、全オプトメカニクス的な統合システムの実現に近づきました。このファイバーベースのナノポジショナーは、微小球だけでなく、プラズモニックデバイスやAFM(原子間力顕微鏡)チップなど、テーパー型ファイバーチップ上に作られたあらゆる構造体を動かすことに使用できます。

 

メディア掲載・プレゼンテーション

 

問い合わせ先

  Graham Garner
技術移転セクション

  tls@oist.jp
  +81(0)98-966-8937