ペロブスカイトの自動性能評価システム(No.104)
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概要
太陽電池やその他の半導体デバイスに使用されるペロブスカイトの性能や品質を評価するための新しいシステム。
ペロブスカイトの世界市場規模は4億5000万米ドル以上と大きく、年率30.8%で成長すると予想されています。ペロブスカイトは、太陽電池、LED照明、ディスプレイ画面、メモリデバイス(RAM)、レーザー、バッテリー、光検出器など、幅広い用途が期待され、材料研究の最前線にある注目素材です。ペロブスカイトの品質や電力変換効率(PCE)の最適化には、性能評価を行う必要があります。しかし、ペロブスカイトには走査電圧で測定したときの電流-電圧(I-V)ヒステリシスの問題があります。これまで報告されてきたPCE値の信頼性や精度はこのようなヒステリシス効果の影響で得られた懸念があり、ペロブスカイトの品質や性能を正しく測定・報告するためには、従来よりも優れた手法が必要とされています。ヤビン・チー教授率いる研究者グループが開発した本技術を使うと、ペロブスカイトの品質とPCEを信頼性の高い方法で完全に自動化した測定が可能になります。
応用
- 太陽電池
- バッテリー
- 半導体デバイス(LED、メモリ、フォトディテクタ)
利点
- 自動化
- 信頼性
- 迅速なテスト
技術のポイント
ペロブスカイトモジュールの品質と性能を評価する自動測定システムで、具体的には、ウィンドウで密閉されたチェンバーがあり、その中にペロブスカイトモジュールホルダーを収容します。そして光源からウィンドウを通ってチャンバー内のペロブスカイトモジュールに光を照射し測定します。デバイスホルダーにはスイッチボードが結合されており、測定するペロブスカイトモジュールを選択することができます。スイッチボードに接続されたDC電圧電源から測定したいペロブスカイトモジュールに電圧がかかります。電流の測定にはスイッチボードに接続したソース/メジャー・ユニット(SMU)を使います。最後に、I-Vソフトウェアがヒステリシス効果を分析して、PCEを計算します。
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