ペロブスカイト製造用ハイブリッド化学蒸着(HCVD)システム (No. 0068, 0089, 0182)
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概要
太陽電池などの半導体デバイスに使用される高品質なペロブスカイト層を迅速に製造する新しいHCVDシステム。
ペロブスカイトの世界市場規模は4億5000万米ドル以上と大きく、年率30.8%で成長すると予想されています。ペロブスカイトは、太陽電池、LED照明、ディスプレイ画面、メモリデバイス(RAM)、レーザー、バッテリー、光検出器など、幅広い用途が期待され、材料研究の最前線にある注目素材です。しかし、現在のCVD(化学蒸着)法は製造に時間がかかり(数時間必要)、生産量の拡大にはネックとなっています。ヤビン・チー教授率いる研究者グループが開発した本技術は、HCVD法を用いペロブスカイト関連製品の製造時間を大幅に短縮することが可能です。
応用
- 太陽電池
- バッテリー
- 半導体デバイス(LED、メモリ、フォトディテクタ、レーザー)
利点
- 迅速な生産(成膜時間10分未満)
- 高品質・均一な膜(22.4cm2のセルで電力変換効率12.3%を実現)
- ヒステリシスを抑制
技術のポイント
ペロブスカイト膜の成膜用のこのHCVDシステムでは、CVD炉が2部屋に分かれており、それぞれ温度調節できるようになっています。成膜する基板を下流側の部屋に、有機ハロゲン化合物を含む蒸発ユニットを上流側の部屋に設置します。基板にはあらかじめハロゲン化金属材料が成膜されており、有機ハロゲン化物の蒸気に反応してペロブスカイトが急速に成膜されます。このように、(1)プレ成膜(2)蒸気化のハイブリッド方式により、より高品質なペロブスカイト膜の成膜が可能となります。
メディア掲載・プレゼンテーション
ニュース:低コストで一定面積を持つ太陽電池モジュール、安定性が劇的に増大
問い合わせ先
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