2次元高速フーリエ変換時の画像エッジアーティファクト即時除去 (No. 0084)
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概要
画像診断市場は、病気の早期診断に対する需要の高まりと、臨床応用の範囲の拡大により力強く成長しています。画像処理計算において2次元高速フーリエ変換(FFT)がしばしば使われますが、FFTは本質的に画像のエッジが周期的であると仮定した計算であるため、周波数領域において高振幅の「十字型」アーティファクトが発生します。これが後段の処理に伝搬し、医療診断などの意思決定に重要なアプリケーションに悪影響を与える可能性がありますが、窓関数の使用やミラーリングなどの既存のアーティファクト除去技術には計算量が増える等の問題がありました。ウルフ・スコグランド教授は、画像をリアルタイムで周期成分と平滑成分に分解し、エッジアーティファクトを即時に除去するアルゴリズムを開発しました。
応用
- 高速産業用トラッキング
- 医療診断(MRI、CT等)
- 電子顕微鏡
- 天文画像処理
- 画像処理(コンボリューション)
利点
- リアルタイム処理
- 2048 x 2048 ピクセル画像で100 fps
技術のポイント
本発明は、周期成分と平滑成分への分解に基づく新しいアプローチで、特に、DRAMアクセスの削減と1次元FFT呼び出し回数の減少のために最適化されています。「タイルホッピング」メモリマッピング方式により、列方向の読み出しのための外部メモリの帯域幅を大幅に改善され、さらに、エネルギー消費量も削減されます。これらの最適化により、FPGAに基づく効率的な2次元FFTの実装が可能となりました。この高性能ソリューションにより、フーリエ変換の計算をしながらエッジアーティファクトを除去することができるので、時間がかかり、エラーを引き起こす可能性もある後処理工程が不要となります。
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