創薬に向けた新規スルホン化シクロプロパンおよびスルホン化鎖状化合物のワンステップの高ジアステレオ選択的合成 (No. 0128)

 
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概要

シクロプロパン構造は様々な生理活性物質に含まれており、シクロプロパン類は医薬品開発において重要な合成前駆体です。しかし、ほとんどのシクロプロパン類の合成には多ステップを必要とし、収率が低く高コストとなっています。スルホン化シクロプロパンは合成が特に難しく、ほとんど市販されていません。ユージン・ハサキン博士が率いるOIST研究グループは、安価な前駆体からスルホン置換されたものを始めとする様々な新規シクロプロパン類を1ステップで迅速かつ立体選択的な合成する方法を開発しました。本技術は、3つの成分から3つの新たな炭素-炭素結合を形成する収束的合成を採用しています。収束的合成は、直線的な多段階合成よりも、工程や試薬が少なく、時間やコストの削減につながる利点があります。また同じ反応において試薬を調整するだけで、直鎖状のスルホン化等価物も得ることができます。この新しい合成プロセスにより、医学研究などの分野を進展させる新しい合成ツールとなりうる化合物の巨大な新ライブラリーができる可能性があり、OISTの研究チームは現在、このようなライブラリー構築に取り組んでいます。

 

ユージーン・ハサキン

サイエンス・テクノロジーグループ

Applications

  • ドラッグデザインと創薬
  • 合成前駆体
  • タンパク質相互作用部位
  • リチウムイオン電池

 

利点

  • ワンステップの3成分反応
  • 安価な前駆体
  • 高いジアステレオ選択性

3つの成分から3つの新しいC-C結合が形成するので、工程と試薬が減り、時間とコストが削減される

これらの反応ではジアステレオ選択性が高く、純粋な光学異性体が得られることもある

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技術のポイント

現在のシクロプロパン化法では電子吸引基を有するなどの特殊な基質を必要とするため、電子豊富なアルキル/アリール高度置換シクロプロパンの合成は困難です。本技術は、3種のアルコール/エステル成分を、塩基と市販のルテニウム(II)触媒の存在下、温和な条件で反応させます。得られたスルホン化シクロプロパン化合物は収率が高く、高いジアステレオ選択性を示します。また触媒と試薬の化学量論を調整することにより、等価な直鎖状スルホン化化合物を合成することも可能となります。

 

メディア掲載・プレゼンテーション

 JST新技術説明会 プレゼン動画 (日本語通訳あり)

 JST新技術説明会 資料

 

問い合わせ先

  Graham Garner
技術移転セクション

  tls@oist.jp
  +81(0)98-966-8937