鉛フリーペロブスカイトの化学蒸着(CVD)製造法 (No. 0059, 0064, 0092)
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概要
太陽電池や他の半導体デバイスに使用される無鉛ペロブスカイト層を製造するための新規なCVDシステム。
ペロブスカイトの世界市場規模は4億5000万米ドル以上と大きく、年率30.8%で成長すると予想されています。ペロブスカイトは、太陽電池、LED照明、ディスプレイ画面、メモリデバイス(RAM)、レーザー、バッテリー、光検出器など、幅広い用途が期待され、材料研究の最前線にある注目素材です。しかしながら、既存のCVD技術は、環境負荷が大きい鉛を使用しています。ヤビン・チー教授率いる研究者グループが開発した本技術では、CVD法を用いて鉛フリーのペロブスカイト膜の製造を可能にしました。
応用
- 太陽電池
- バッテリー
- 半導体デバイス(LED、メモリ、フォトディテクタ)
利点
- 鉛フリー
- 平面構造
- 空気誘起酸化の最小化
技術のポイント
鉛フリーペロブスカイト膜の成膜を可能にするこのCVDシステムでは、真空蒸着法を使います。まず、基板上にSnハロゲン化合物材料をデポジットし第1の層を形成します。次に、有機ハロゲン化物材料をデポジットし、第1の層上に第2の層を形成します。最後に、先にデポジットされた2層膜基板をアニーリングします。アニーリングの過程で、 2つの層の材料が相互拡散し、反応を起こして鉛フリーペロブスカイト膜を形成します。まさに、Snハロゲン化合物を覆い、空気誘起酸化から保護する有機ハロゲン化物層を形成するのです。さらに、この方法を用いて成膜した無鉛ペロブスカイト膜を含むデバイスには優れた安定性が見られることも特徴です。
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