有機輝尽材料 (No. 0183)

 
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概要

蓄えたエネルギーを可視光や近赤外線で刺激して放出する光刺激ルミネッセンス(PSL)は、医療やデータストレージ技術の分野で大きな関心を集めていますが、この現象を示す既知の材料はほとんどが不溶性の無機材料です。これらの無機材料は、環境負荷の高いレアアースが必須で、作製時に1,000℃以上の高温が必要になるなど課題が多くあります。嘉部量太教授を中心とする研究グループは、電子ドナー、電子アクセプター、トラップ/エミッター分子からなる純粋な有機材料をベースにした新しい有機蓄光材料を開発しました。光刺激ルミネッセンスアプリケーションのための環境に優しく、かつロバストなソリューションを提供します。

准教授:
嘉部 量太

有機光エレクトロニクスユニット

応用

  • 光学データスト―レージ
  • バイオイメージング
  • 線量測定装置

 

利点

  • レアアース不要
  • 励起・刺激・発光波長を調整可能
  • 低温、フレキシブル、可溶性があり製造が容易

m-MTDATA/PPT/Rb膜の発光による書き込み・読み出し処理方法とその写真

技術のポイント

本技術は、電子ドナー、電子アクセプター、トラップ・エミッター分子から構成された純有機フィルムによる光刺激発光(PSL)システムです。このPSLフィルムは、紫外線照射により電荷がラジカルイオンとして蓄積され、後に近赤外線照射によりエネルギーが取り出され、可視光が発生します。光刺激による発光を複数回(10回以上)繰り返すことができ、励起後1週間室温で暗所に放置したフィルムからも発光が見られます。また、トラップ/エミッター分子を変えることにより、発光色を変えることも可能です。全く新しいエネルギーストレージとして期待の高い新素材といえます。

 

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