摩擦で発光する結晶(No.0184)

 
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概要

機械的な刺激に反応して発光する新規金属錯体。

スマートマテリアルの世界市場規模は、2025年までに年平均13.5%で成長し、982億米ドルに達すると予想されています。スマート材料とは、電界や磁界、温度、圧力、機械的刺激、静水圧、核放射線、pH変化など、さまざまな刺激を感知して反応する先端材料を指します。トリボルミネッセンス(Triboluminescence)材料は、機械的な刺激に反応して発光するスマート材料の一例であり、機械応答性センサーや発光デバイスなどへの幅広い利用の可能性があるため、大きな関心を集めている材料の一つです。トリボルミネッセンス金属錯体の中では、レアアースのユーロピウム錯体やテルビウム錯体が最も広く使われています。しかしレアアースは高価であり、環境汚染なども引き起こします。ジュリア・クスヌディノワ准教授が率いる研究者グループは、銅を含む錯体をベースにした、摩擦で発光する新しい発光スマート結晶体を開発しました。

 

准教授:
ジュリア・クスヌディノワ

錯体化学・触媒ユニット

応用

  • ダメージ検出センサー
  • 摩擦可視化素材
  • 情報ストレージ素材

 

利点

  • レアアース不使用
  • 明るく光る
  • 酸素中でも安定

 

技術のポイント

本発明では、結晶状態として、またポリマーフィルムに混ぜて使用できる、銅を用いた摩擦発光性金属錯体の開発に成功しました。砕く・擦る・すり潰すなどの機械的応力を受けると発光します。分光法や発光イメージングで測定できることはもちろん、空気中で、室内での自然光でも認識できるほどの明るい摩擦光を発します。従来技術に比べて環境にやさしいレアアースフリーな摩擦発光材料です。

 

メディア掲載・プレゼンテーション

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