生物システムユニット (イゴール・ゴリヤニン)

ユニットの概要

イゴール・ゴリヤニン

生物システムユニット

イゴール・ゴリヤニン 教授

goryanin at oist.jp

 

研究

ヒトの細胞内ネットワーク再構成

ヒト代謝ネットワークは、ハイスループット実験やバイオインフォマティクス手法によるde novo予測から得られるシグナル伝達ネットワーク、遺伝子調節ネットワーク、タンパク質相互作用ネットワークと統合されつつある。遺伝子、タンパク質、代謝産物といった統合ネットワークの各要素は、ヒトの疾患および薬剤などに関する広範な情報と関連づけられている。このようなデータベースの例としては、KEGG、HMDB、OMIM、Diseases Database、Genetic Association DatabasePharmaGKBMedlinePlus、eMedicine、STKE、GPDB、Nature PIDなどがある。

ま たヒト代謝ネットワークは、反応、代謝産物および組織分布のアノテーション数を増やすことで、改善が続けられている。ヒトの体内に存在するすべての化合物 がヒト由来酵素によって生合成されるわけではないことから、ヒトの体内に存在する化合物の供給源と分解機序に関する情報を統合することは興味深い問題であ る。特に、薬剤やシグナル代謝産物(ヒトが生産したかヒト以外の生物が産生したかを問わず)に関連する代謝経路が主眼となる。シグナル代謝産物は重要な調 節機能を有することが多く、複雑なシグナル伝達経路を通じて細胞の状態に大きな影響を及ぼす可能性があるためである。

この研究の成果は、ヒトの生物学的プロセスに関するネットワークベースの生物医学的解析のためのすべての情報を統合するサービスを提供することになる。データベースおよび文献から得られた生物学的ネットワークをゲノムスケールで再構築・検証するための半自動パイプラインが開発されつつある。情報は系統的な方法で抽出、標準化、表示および保管され、さらにin silico解析に利用される。我々は複雑な機能解析を可能にするネットワークベースの手法を各種開発中である。

このデータベースでは、SBML (Systems Biology Markup Language, www.sbml.org)形式で経路モデルを読み込み/書き出しすることができ、SBGN (Systems Biology Graphical Notation, www.sbgn.org)など、この分野の新標準に基づいて経路マップを可視化することができる。

新たな計算アプローチ

高性能コンピュータ向けの数値計算法、新たな方法論および並列ソフトウェアに焦点を当て、シグナル伝達経路モデルと実際の実験データを用いてソフトウェアの検証を実施している。

  • 新たなグローバル感度係数による、同定不可能な多数のパラメータを持つシステムの定性的、半定量的および定量的な挙動解析
  • 新たな集団ベースの最適化とゲーム理論の手法による進化システムのパラメータ同定と再構成
  • 新たな多変量・超多変量データ解析手法による多目的最適化の収束性を高めるためのパラメータ空間の境界設定法