発光するスマートポリマーフィルム(No.0206)
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概要
機械的刺激に反応して発光する混合ポリマーフィルム。
スマートマテリアルの世界市場規模は、2025年までに年平均13.5%で成長し、982億米ドルに達すると予想されています。スマート材料とは、電界や磁界、温度、圧力、機械的ストレス、静水圧、核放射線、pH変化など、さまざまな刺激を感知して反応する先端材料を指します。トリボルミネッセンス(Triboluminescence)材料は、機械的な刺激に反応して発光するスマート材料の一例であり、機械応答性センサーや発光デバイスなどへの幅広い利用の可能性があるため、大きな関心を集めている材料の一つです。しかし、このトリボルミネッセンス材料は、結晶系の場合には破壊が必要であることや、生体適合性に限界があることなどの問題があります。ジュリア・クスヌディノワ准教授が率いる研究者グループは、ポリマーフィルムとルミノフォア(発光団)の混合化合物をベースにした、機械的な刺激で発光するスマート材料を開発しました。
応用
- 機械的刺激センサー
- 発光繊維や塗料
- 自己発電型ディスプレイ
利点
- シンプルな合成方法
- 結晶性を必要としない
- 生体適合性
- 可逆的に反応
技術のポイント
本技術は、幅広いルミノフォア(生体適合性のある分子を含む)を混合したトリボルミネッセントポリマーフィルムの製造方法です。また、様々なポリマー材料で作ることが可能で、ポリマーに直接接触していなくても(別の材料の層を介しても)、摩擦に反応して発光します。この反応は、不活性ガス下でも乾燥空気下でも見ることができ、発光材料の破壊や機械的ダメージを必要としません(反応がリバーシブル)。また、発光体とポリマーを物理的に混合するだけでポリマーフィルムを作成でき、共有結合を必要としないことも特徴です。
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