1. 業務の紹介

外部研究資金セクションマネジャー 杉原 忠氏インタビュー

杉原 忠氏プロフィール▼

杉原忠
Tadashi Sugihara

杉原忠マネジャー

東北大学理学部物理第二学科卒業
九州工業大学大学院情報科学専攻 博士(情報工学)
理化学研究所脳科学総合研究センター、米国ジョンズ・ホプキンス大学、ロチェスター大学などでシステム神経科学、認知脳科学研究に従事
2012年より京都大学学術研究支援室URA
2014年よりシニアURA、副室長
2017年よりOIST外部研究資金セクションマネジャー
2020年アジア初のNCURA Chair of Region VIII (International Region)
NCURA MagazineではAsia Pacific RegionのContributing Editorを務めた(2015-2018)
RA協議会代議員・運営委員(2015-2020)

外部研究資金セクションとは

- 外部研究資金セクション(以下GRANTS)はどういう業務をしている部署ですか?
競争的研究費の応募と採択後の交付手続きなどを通して研究者を支援しています。

- すると、いわゆるpre-awardとpost-awardの両方を担当している部署ですね?
そうです。

- URAを雇用している大学から見ると、珍しい業務内容ですね。多くのURAはpost-awardは大学事務が担当していますから。
はい、GRANTSはpre-awardのURAと皆さんの大学の研究推進部を足して、産官学連携課を引いたイメージですね。

- 産官学連携は別の部署が担当しているということですね?
産官学連携は、事業開発セクションという部署が担当しています。事業開発セクションは沖縄県との連携による事業推進やビジネス関係のスタートアッププログラムなどを担当しています。

業務の具体例

- 具体的にどのような業務がありますか?
Pre-awardとpost-awardに分けて説明しましょう。
Pre-awardは財団の助成金およびJSTの大学発新産業創出プログラム(START)のような事業化を明確な目的としているもの以外は、ほとんどうちのセクションが対応します。教員への公募案内、申請書作成の支援、場合によっては面接資料作成支援と模擬面接も行っています。

- 具体的にどのような研究資金の公募支援をしていますか?
年間のビッグイベントはやはり科研費応募です。OISTの特徴が現れている業務としては、JSPSの外国人研究者招へい事業(外国人特別研究員)の応募の手伝いでしょうか。ホストになる研究者から、書き方の相談などがよくあります。

学内の様子

- では続いて、Post-awardについてもお聞かせください。
Post-awardは応募した研究課題が採択された後の仕事を広く行っています。
個別の予算管理は研究代表者とその研究者が所属する研究室を担当する事務員(Research Unit Administrator:RUA)が実質的に行いますが、配分機関からの交付通知を受けて、採択者と配分機関との間に入り、交付の手続きを行います。
配分機関との契約が必要な場合も、契約を担当する部署と協働で準備しています。
手続きが終わったら、研究者がその予算を使うことができるよう、学内の会計システム設定を担当部署にリクエストします。

- なるほど。交付後はどんな業務がありますか。
主に年度末に、報告書の提出や予算執行のリマインドも研究者に送ります。

学内の様子

- すると、多くの大学のURAより、かなり事務部門のように見えますね。
はい、そうですね。私はそれがとても良いと思っています。本当に大学に貢献できる部署でないとURA組織はやっていけませんからね。

- その点について、もう少し説明していただけますか?
おそらくURA室―URAが雇用されているオフィスを一般的にそう呼んでおきますが―立ち上げ時の共通の悩みは、既存の事務組織とどう業務を切り分けるか、そして学内の教職員から信頼を勝ち取るかということだと思います。私たちはURA機能が含まれていますが、最初から事務組織として学内に根付いていますから、この二つの悩み事がほとんど問題になっていません。獲得する外部資金の8割方について、なんらかの形でGRANTSが関わっているので、大学での重要度も高まる一方です。