コンサート
「美術・文学・音楽 X 人工知能」をテーマとする本展の重要な一翼として、4つの音楽コンサートをOISTにて開催します。講堂で行われる3つのコンサートでは、人間が機械美学に基づいて作曲した音楽、機械が人間美学に基づいて作曲したとされる音楽、大変貴重なロール紙タイプの自動演奏ピアノのために作曲された音楽を特集します。屋外で行われるコンサートは、参加型のワークショップ&パフォーマンスとなります。
01 機械美学音楽
14:30-18:00 (開場 14:00)
講堂 / 参加費無料
Part 1:三輪眞弘
「みんなが好きな給食のおまんじゅう」
演奏: 水野扶美、佐々木かほ、津曲洸太、新井松明、伊藤優希、近藤知夏、長屋穂高(名古屋学芸大学有志メンバー)
「虹機械」はじまりのうた
Piano : 自動演奏ピアノ
「虹機械」はじまりのうた
Piano:山根貴志
「またりさま」プレゼンテーション
Part 2:古川聖
「数による音楽」より
フラクタルミュージック(非線形構造) 1992
コンピュータ制御のPlayer-Pianoによる自動演奏:古川聖
- 01 マンデルブロート集合1」
- 「02 カオッティクアトラクター」
- 「03 マンデルブロート集合2」
- 「04 セルオートマトン」
- 「05 ジュリア集合」
「建築が夢みる音楽」〜建築空間の体験を聴く〜 *世界初演
AdM チームプレゼンテーションとパフォーマンス
古川聖(音楽、東京芸術大学)、 藤井晴行(建築、東京工業大学)、濱野峻行(システム開発、東京芸術大学)、小林祐貴(建築、東京工業大学)
Part 3:アフタートーク
出演:三輪眞弘、古川聖、中ザワヒデキ
02 環世界音楽と機械学習
14:30-18:00 (開場 14:00)
講堂 / 参加費無料
Part 1:平石博一
「時空のかすかな記憶」
「プリズマティック・パルセイション 第2番」
「九十九折五番」*世界初演
呼吸する小石(ピアノ+弦楽四重奏)*世界初演
「8ch空間音楽」
Piano:矢沢朋子、Violin1:阿波根由紀 、Violin2 : 金城千賀子、Viola:比嘉佐和子、Cello:棟元名美
Part 2:AI作曲と計算論的創造性
中世、ルネサンス:多声合唱
ジェイソン・サケラリオー「ギョーム・ド・マショーのスタイルで」「レイヴンズクロフトのスタイルで」「パレストリーナのスタイルで」
バロック:コラール合唱
レイ・ウォーリー「バビロンの流れのほとりに」 ガエタン・アジェール「われ汝を呼ぶ」「天にまします我らの父よ」「言葉も制約もなしのコラール」
モーツァルト
ステファン&カルロス「束縛なしのモーツァルト」「制約つきのモーツァルト:機械仕掛けのトルコ人風 KV 415 8/11」
古典派、ロマン派、近代
デヴィッド・コープ(音楽知能システムEMIにもとづく)「ソナタ(ベートーヴェン風)」「狂詩曲(ブラームス風)」「前奏曲(ドビュッシー風)」「詩曲(スクリャービン風)」「小品(シェーンベルク風)」「夢(ヴェーヴェルン風)」
20世紀および現代
ブライアン・ベマン「専門家としてのコンピュータ(作曲したって誰も気に留めやしないよ)」(ミルトン・バビットのスタイル)
イサロ・ゴイエネチェア「バスクからロンドンへ」(バスク民謡)
田中翼「細胞錬金術」(オリジナルスタイル)
Soprano : 仲里広江、Alto : 知念利津子、Tenor : 田里直樹、Bass : 仲本博貴、Flute : 真榮田えり子、Piano:佐久間龍也、平良明子、Violin1:阿波根由紀、Violin2 : 金城千賀子、Viola:比嘉佐和子、Cello:棟元名美
謝辞:ブライアン・ベマン、ゲライント・ウィギンス、デイヴィッド・メレディス
Learning to Create (project number 610859, funded by EU FP7)
Part 3:アフタートーク
出演:平石博一、田中翼、中ザワヒデキ
03 人工知能音楽の先駆
14:30-18:00 (開場 14:00)
講堂 / 参加費無料
Part 1 :ナンカロウ
「自動演奏ピアノのための習作」前半
Part 2 :ナンカロウ
「自動演奏ピアノのための習作」後半
Part 3:アフタートーク
出演:森田歩、中ザワヒデキ、スペシャルゲスト
04-1
2017年11月11日(土)
14:00-17:00
センター棟 B254(屋外) / 参加費無料
Program
間違って教育された人工知能がその場で生成する楽譜による声と観客のための協奏曲 (2017 )
この作品はニューラルネットワークと人間の間の複数の階層にわたる相互作用に重点を置いている。 その過程において3つの異なるニューラルネットワークが使われている。
最初の段階では、ニューラルネットワークによって漢字とラウル・ハウスマンの視覚詩から合成された新しいいくつかの文字が、足立とニューラルネットワークの相互作用によって発音を確立させられる。毎日、足立は文字の形だけを参照に、他の記述手段を使わずに、新しい文字をニューラルネットワークに対して読み上げをおこない、そのニューラルネットワークはその音のパターンを保存、分類する。この部分は人間の脳とコンピュータのニューラルネットワークの並行する過程である。最終段階において、そのニューラルネットワークは足立のヴォイス・パフォーマンスをリアルタイムで分析/分類し、その分類が観客とゲスト演奏家への指示へと変わる。同時にそのニューラルネットワークは足立の声を学んだ別のニューラルネットワークが合成した声のサンプルを再生する。声のパフォーマンスは観客とゲスト演奏家からの音と合成された音の両方に反応する。この最終段階において声の即興演奏とニューラルネットワークのふるまいを軸に、その場に立ち会うすべての人と機械を巻き込んだ非常に複雑な反応、知覚のネットワークが形成されることになる。
人工知能合成詩: ラウル・ハウスマン+古今和歌集の無茶な朗読 (2017 )
これは足立の視覚詩作品《人工知能合成詩 ラウル・ハウスマン+古今和歌集》の概念的な朗読である。その視覚詩はラウル・ハウスマンの視覚詩と10世紀日本の藤原興風の短歌の書をもとにニューラルネットワークが合成イメージとして出力したものである(偶然だか双方とももともと和紙に書かれている)。これをどう音として読むかはなんの手がかりもないが、足立は声と自身の開発したテクノロジーによって読もうと試みる。その基本的な態度は書く身振りと読む身振りは同じであるというもので、ステファヌ・マラルメのダンスに関するエッセイに触発されたものである。
どちらの作品もドイツのダダイスト、ラウル・ハウスマンを主な参照点としている。彼は機械/人間の新しいイメージ、とりわけ人間の脳と機械的構造の遷移を喚起するいくつかのコラージュ作品も残している。
【プロフィール】足立智美
パフォーマー/作曲家/音響詩人。1972年金沢生まれ。声、コンピュータ、自作楽器によるソロ演奏を始め幅広い領域で活動し、ヤープ・ブロンク、坂田明、ジェニファー・ウォルシュ、高橋悠治、一柳慧、伊藤キム、コンタクト・ゴンゾ、猫ひろしらと共演、また非音楽家との大規模なアンサンブルのプロジェクトもおこなう。声のパフォーマーとして新国誠一の視覚詩、音響詩の上演、1996年にはクルト・シュヴィッタースの《ウアソナタ》の日本初演をおこなっている。作品には自作のフィジカル・インターフェイス、ツイッター、脳波から人工衛星、テレパシー、骨折までを用い、テート・モダン、ポンピドゥー・センター、ベルリン芸術アカデミーなどで公演、DAADより2012年ベルリン滞在作曲家としてドイツに招聘。詩人としてもベルリン・ポエジー・フェスティヴァル、ルイジアナ文学祭などに招聘されている。
04-2
2017年11月12日(日)
11:30-13:00
センター棟 B254(屋外) / 参加費無料
Program
間違って教育された人工知能がその場で生成する楽譜による声と観客のための協奏曲 (2017 )
この作品はニューラルネットワークと人間の間の複数の階層にわたる相互作用に重点を置いている。 その過程において3つの異なるニューラルネットワークが使われている。
最初の段階では、ニューラルネットワークによって漢字とラウル・ハウスマンの視覚詩から合成された新しいいくつかの文字が、足立とニューラルネットワークの相互作用によって発音を確立させられる。毎日、足立は文字の形だけを参照に、他の記述手段を使わずに、新しい文字をニューラルネットワークに対して読み上げをおこない、そのニューラルネットワークはその音のパターンを保存、分類する。この部分は人間の脳とコンピュータのニューラルネットワークの並行する過程である。最終段階において、そのニューラルネットワークは足立のヴォイス・パフォーマンスをリアルタイムで分析/分類し、その分類が観客とゲスト演奏家への指示へと変わる。同時にそのニューラルネットワークは足立の声を学んだ別のニューラルネットワークが合成した声のサンプルを再生する。声のパフォーマンスは観客とゲスト演奏家からの音と合成された音の両方に反応する。この最終段階において声の即興演奏とニューラルネットワークのふるまいを軸に、その場に立ち会うすべての人と機械を巻き込んだ非常に複雑な反応、知覚のネットワークが形成されることになる。
人工知能合成詩: ラウル・ハウスマン+古今和歌集の無茶な朗読 (2017 )
これは足立の視覚詩作品《人工知能合成詩 ラウル・ハウスマン+古今和歌集》の概念的な朗読である。その視覚詩はラウル・ハウスマンの視覚詩と10世紀日本の藤原興風の短歌の書をもとにニューラルネットワークが合成イメージとして出力したものである(偶然だか双方とももともと和紙に書かれている)。これをどう音として読むかはなんの手がかりもないが、足立は声と自身の開発したテクノロジーによって読もうと試みる。その基本的な態度は書く身振りと読む身振りは同じであるというもので、ステファヌ・マラルメのダンスに関するエッセイに触発されたものである。
どちらの作品もドイツのダダイスト、ラウル・ハウスマンを主な参照点としている。彼は機械/人間の新しいイメージ、とりわけ人間の脳と機械的構造の遷移を喚起するいくつかのコラージュ作品も残している。
【プロフィール】足立智美
パフォーマー/作曲家/音響詩人。1972年金沢生まれ。声、コンピュータ、自作楽器によるソロ演奏を始め幅広い領域で活動し、ヤープ・ブロンク、坂田明、ジェニファー・ウォルシュ、高橋悠治、一柳慧、伊藤キム、コンタクト・ゴンゾ、猫ひろしらと共演、また非音楽家との大規模なアンサンブルのプロジェクトもおこなう。声のパフォーマーとして新国誠一の視覚詩、音響詩の上演、1996年にはクルト・シュヴィッタースの《ウアソナタ》の日本初演をおこなっている。作品には自作のフィジカル・インターフェイス、ツイッター、脳波から人工衛星、テレパシー、骨折までを用い、テート・モダン、ポンピドゥー・センター、ベルリン芸術アカデミーなどで公演、DAADより2012年ベルリン滞在作曲家としてドイツに招聘。詩人としてもベルリン・ポエジー・フェスティヴァル、ルイジアナ文学祭などに招聘されている。