海洋生態物理学ユニット (御手洗 哲司)

海洋生態物理学ユニットの概要

海洋生態物理学ユニットは、物理学、数学、生物学、遺伝学などを組み合わせた学際的アプローチで、海洋の大小様々なスケールで見られる、海洋生態系に関わる研究課題に取り組んでいます。海洋物理学を軸としつつ、海洋生物学、遺伝生物学、古生物学などと融合した研究環境を構築することで、台風のような擾乱から、地球温暖化に代表される気候変動まで、変動する物理環境と、海洋生態系の変化を研究しています。沖縄の独特な地理的特性と、OISTの誇る最新研究機器を最大限に活用することで、適切な研究課題の設定を行いつつ、2009年より研究活動を続けています。

沖縄には固有種を含む、豊かな生態系が広がっています。沖縄のサンゴ礁生態系は、亜熱帯海域に位置し、季節変動に適応しています。沖縄トラフの熱水噴出孔周辺には、太陽光に依存しない、独特の生態系が成立しています。沖縄周辺海域は、強度、頻度ともに世界最大レベルの、熱低低気圧の街道でもあります。私たちは、これらの自然環境を積極的に利用することで、海洋生態系の変動を研究し、それらを定量化することで、沖縄の豊かな自然環境の保護に貢献しています。


 

御手洗 哲司

海水の流れが生物に及ぼす影響を、個体レベルで理解し、その結果として現れる生物地理分布と、生物地球化学的循環への作用を定量化することを目標としています。研究課題として、1) 海洋乱流中の幼生分散と、海盆スケールでの生物地理分布との関係、2) 乱流中でのサンゴの環境負荷応答と、サンゴ礁海域での生物地球化学的循環への影響、3) 台風による有光層の乱流混合と、海洋内部への炭素輸送の変動、などを想定し、博士課程で習得した流体力学の知識と経験を活かして、学際的な海洋学の研究に貢献しています。

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