SHIMA 2022 - 県内の高校生が島の持続可能性について学ぶ

2022年8月16日~19日に、STEM(科学、技術、工学、数学)、SDGs(持続可能な開発目標)、島の持続可能性への関心を育むことを目的としたワークショップ「SHIMA」が開催されました。沖縄県内の高校から約60名の応募があり、厳しい審査を通過した18名の生徒(宮古島からの参加者2名を含む)が参加しました。

4日間のワークショップでは、OISTの教授、研究者、博士課程の学生、及び地域の農業や海洋保護に携わる専門家による講義、デモンストレーション、実験に参加しました。初日は、在沖米国総領事館による「米国での奨学金や高等教育の機会」に関するインフォメーションセッションで幕を開けました。大学院副研究科長のタカバヤシミサキ博士は、ワークショップの導入として、「島の持続可能性とは?」について生徒たちへメッセージを送りました。また、OISTの海洋気候変動ユニット海洋生態進化発生生物学ユニット海洋生態物理学ユニット進化・細胞・共生の生物学ユニットの先生方や研究員ボランティアらによる、科学研究の観点からサステイナビリティに関する多様なトピックについて講義や実験を行い、参加者の学びを深めました。

果物からDNAを抽出する方法を通して、細胞からDNAを分離する方法を学ぶ

 

実験では、海洋酸性化がどのように起こるのかを再現する実験や果物からのDNA抽出方法、クマノミの幼魚飼育方法や有孔虫の観察方法、地域の農地に設置されているミツバチの巣箱の見学など内容盛りだくさんでした。また、赤土流出防止対策について学ぶ実習や、地元の漁港を訪れ、衰退しつつあるサンゴ礁の再生に向けたサンゴの植え付けについて学ぶ実習も行われました。

サンゴ礁の再生に向けた取り組みとして、サンゴの植え付けの基本を学ぶ

 

ワークショップの最後には、国際海洋環境情報センター (GODAC) のサイエンスコミュニケーター主導のもと、深海の生物多様性や海底資源、沖縄の島の成り立ちと私たちの生活との関わりなど、SHIMAのコンセプトである「島の持続可能性」についての講義が行われました。講義の終盤には、参加者がワークショップで学んだことをグループに分かれてとりまとめ、最終プレゼンテーションを行いました。

今回も多くの専門家やボランティアの方々のご協力により、充実した学びの機会を提供することができました。ワークショップ参加者の感想として、「四日間毎日OISTでしかできない体験ができた。日本の最先端の研究を学び、沖縄が抱える問題とそれを解決しようとする研究者に出会い、沖縄を良い場所にしようという情熱を感じた。研究者だけでなくサンゴ保全活動を行う人や、町の職員の人もみんながプロフェッショナルだった。自分も誰にも負けない得意なところをもつプロフェッショナルになりたいと思った。」また、「とても充実していて楽しかったし、たくさんの学びがありました。将来環境を守っていく仕事をしたい、という思いが強くなりました。」

本ワークショップは、OISTが主催し、在沖米国総領事館の資金援助を受けて実施いたしました。