第1回オープンエネルギーシステム国際シンポジウム
第1回オープンエネルギーシステム国際シンポジウム
2014年1月14日~15日
主催:沖縄科学技術大学院大学 (OIST)
共催:(株)ソニーコンピュータサイエンス研究所 (Sony CSL)
後援:在日オーストラリア大使館、在日フランス大使館
オーストラリア・ビクトリア州政府東京事務所
独立行政法人 国際協力機構(JICA)、沖縄県
於:B250会議室 (OIST)
同時通訳有り
第1回の講演資料、写真、関連記事はこちらをご御覧ください
現在の国際社会における課題の中で、世界的なエネルギー需給の調整は喫緊の課題となっています。再生可能エネルギーへの移行が優先的な課題とされていますが、現状では技術的、経済的、社会的な問題が数多く残されています。先進国における問題は、現在のエネルギーミックスから再生可能エネルギーの比率を高めつつ、いまあるサービスの質とコストを維持することにあります。発展途上国の場合、経済発展と同時に再生可能エネルギーの利用を促進する「リープフロッグ戦略」によって、化石燃料由来エネルギーを飛び越えて次の段階に進むことはできないまでも、その使用量を削減することができると考えられています。
しかし、それには多くの課題があります。例えば、
- 多くの再生可能エネルギー源が持つ不安定かつエネルギー密度が低いという性質を克服する方法。
- 再生可能エネルギー源に最適な貯蔵・流通システム。
- エネルギーの需要管理と供給計画を統合する方法。
- 経済的ボトルネックの特定、およびその解決方法。
- オープンエネルギーシステムの現実的かつ持続可能な導入を実現できる政策、資金調達モデル、事業戦略の可能性。
「オープンエネルギーシステム」(OES)という概念は、オープンエンドで多様な要素で構成され、変動が大きく信頼性の低いエネルギー源を扱う斬新な電力需給制御システムを表わすために作られたものです。OESは分散型の直流(DC)送電網構造であり、孤立ノードから、最終的には主要送電網に接続される大規模な相互接続システムにまで拡張性があります。OESは再生可能エネルギーの多様な要素を含むダイナミックな性質に対応できると期待されており、課題の一部の解消に役立ちます。現在、OISTとソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)では、太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギー源を全面的に活用するとともに、各ノードに設置されたリチウムイオンベースのエネルギーサーバー・ユニットを使用して蓄電を行いDC送電網によるマイクログリッドシステムの開発を目指して、OISTキャンパスで共同プロジェクトを行っています。ソニーCSLは国際協力機構(JICA)の支援を受けて、ガーナ北部で再生可能エネルギー源を利用した村落の電化を行うため、OESの導入にも取り組んでいます。
本シンポジウムでは、「オープンエネルギーシステム」と、産業化の進んだ都市部や離島、電力供給の無い又は不安定な僻地など、さまざまな社会的、地理的状況におけるOESの適用をめぐる問題を取り上げます。
本シンポジウムでは技術専門家に加えて、電力不足地域におけるOESの共同開発や採用に関心があると思われる政府指導者やビジネスリーダー、ならびに現在の送電システムに替わるものとしてOESに関心を持つ地域、国、企業が一堂に会することが期待されています。
進行中のプロジェクトとしては電力が話題の中心になりますが、視野をさらに広げて、水道、医療、教育など(交通や金融などを含む場合もある)、さまざまな不可欠なニーズや統合システムについても取り上げ、また、さまざまな立地において社会がこうしたアイディアを採用できるようにするための方法や、これを政府/地域社会/NGOの支援パッケージとして、また可能であればビジネスの展開として効果的なものにするための方法についても議論したいと考えています。
また現在、OISTその他の沖縄の機関で行われている再生可能エネルギーの生産と流通に関する研究開発プロジェクトについてもご紹介する予定です。
シンポジウムの開催地は、沖縄科学技術大学院大学となっております(OIST:http://www.oist.jp/)。
組織委員
- シンポジウム委員長: ジョナサン・ドーファン, OIST学長
- 共同組織委員長: パトリック・ヴィンセント, OIST副学長
- 所 眞理雄, Sony CSLエグゼクティブ アドバイザー、ファウンダー
- プログラム委員長: 北野 宏明 教授(アジャンクト)OIST / 代表取締役社長・所長Sony CSL
- 広報委員長: 坂上 太一郎, 技術員, OIST
- 運営委員長: 市川 尚斉, 事業開発セクション・技術移転セクション シニアマネージャー, OIST
現在確定している基調講演者は以下の方々です。(同時通訳有り)
- Rajendra Kumar Pachauri 博士 [デリーからの生中継]:IPCC議長
- Dave Griggs 教授 (ClimateWorks Australia CEO兼モナシュ大学(オーストラリア)モナシュ・サステナビリティ研究所理事)
- Stephen Ronan 博士(ALSTOM社最高イノベーション責任者(CIO))
- Thomas Rivera 博士( Orange Labs Networks社)
- Dennis Teranishi (太平洋ハイテクセンター(PICHTR)CEO、ハワイ)
- 島津 裕紀 (経済産業省 資源エネルギー庁 新エネルギー対策課)
- 林 俊行 国際協力専門員(独立行政法人国際協力機構(JICA))
- 諸富 徹 教授(京都大学)
- 田中 謙司 特任准教授(東京大学)
- 藤原 洋 博士(株式会社ブロードバンドタワーCEO)
日時: 2014年1月14日(火)午前9時~15日(水)午後3時30分
場所: OISTセンター棟セミナールームB250 (OISTへのアクセス)
OIST住所:〒904-0495 沖縄県国頭郡恩納村字谷茶1919-1
本シンポジウム参加には参加申し込みが必要です。
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