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変わりゆく環境に応える科学: 〜外来種対策・保護区導入・生物多様性モニタリングに関する研究開発〜

OIST 環境科学・インフォマティクスセクションが以下のワークショップを開催します。

タイトル

変わりゆく環境に応える科学 〜外来種対策・保護区導入・生物多様性モニタリングに関する研究開発〜

日程

2025年9月 9日(火)  時間:10:00−15:00

会場

OIST センター棟 B250 (Zoomでのハイブリッド)

概要

近年、気候変動や生態系の改変に加え、社会経済情勢の不確実性が高まる中で、環境課題への対応には科学と技術の連携がより一層求められています。本シンポジウムでは、「外来種対策」「保護区導入」「生物多様性モニタリング」という三つの実践的な研究領域を取り上げ、これらを支える研究と技術革新の最前線を紹介します。

言語

日本語+英語(日英同時通訳あり)

素晴らしきゾウムシの世界:台湾の阿里山で発見されたカレキゾウムシの新種

素晴らしきゾウムシの世界:台湾の阿里山で発見されたカレキゾウムシの新種

 

ゾウムシ(甲虫目、ゾウムシ科)は、象の鼻のような口を持った甲虫で、とても種類が多く、甲虫を代表する分類群です(日本語では、象の虫と書いてゾウムシという)。この象の鼻のように変形した口を総称して口吻と呼んでいます。ゾウムシの多くは、寄主植物に穴を開けるのにこの口吻を使っていて、そのため、被子植物の適応放散とともにゾウムシの多様な進化が引き起されたと考えられています。ゾウムシは63,000種以上もの記載があり、実際にはそれより多くの種の発見が期待されることでしょう。ゾウムシは世界中の生態系において重要な役割を担っているだけではなく、その形態や行動も驚くほど多様です(図1)。近年の系統学の研究によってゾウムシの科と亜科の系統関係は明らかになりはじめていますが、多くの属の系統関係は未知のままで、多くの種において新たな発見が待たれている状態です。我々のゾウムシへの理解はまだまだ追いついていないのです。