研究

エネルギー材料と表面科学ユニットの研究

エネルギー供給と地球温暖化といった世界的課題に対応してい くことが必至となった今、代替の“グリーン”なエネルギー供給を求める声が、一般社会でも高まってきました。近年の多くの学術研究を踏まえて、効率が良く コストパフォーマンスにも優れたエネルギー産生デバイス(例えば、太陽電池)の開発が進むようになりました。このようなエネルギー産生デバイスでは、物質 の表面、つまり機能を持った材料間の界面がとても重要であると、多くの研究が示しています。本エネルギー材料と表面科学ユニットでは、プローブ顕微鏡、 光電子分光、電荷輸送測定法などの高度な実験技術を駆使し、表面と界面の関係を研究しています。最終的な研究目標は、1)分子レベルでの有機物と無機物の 構造的相関の理解 2)エネルギー産生デバイス開発の二つです。

エネルギー材料

本ユニットの研究対象はエネルギー材料です。これは現在(2013年6月)では、有機薄膜太陽電池を指しています。有機薄膜太陽電池の光電変換層の周囲の材料に関しては、無機ナノ粒子、無機材料も含まれます。他に、太陽電池に必須である透明電極材料や、基盤技術を同一にする有機エレクトロニクス材料の研究も進行しています。OISTが所有するクリーンルームに、デバイス構築から評価までの一連の最先端の機器を扱い、研究を進めています。リソグラフィー、金属や有機物の蒸着、スパッタリング、エッチング、スピンコーティング、光電変換効率などです。整備されたクリーンルーム内での研究ですので、私たちの発見は、比較的速やかに現実の産業世界へとインパクトを与えることでしょう。

表面科学

有機物半導体によるエネルギー材料開発には、界面科学による知見が極めて重要です。  本ユニットでは、クリーンな環境中で、有機薄膜太陽電池や有機エレクトロニクスの材料の表面及び界面に切り込みます。サンプル作製の蒸着装置と光電子分光や走査プローブ顕微鏡とが一つらなりの超真空システム内にあるため、in-situの測定が可能です。ex-situの多くの分析技術と合わせて、有機エレクトロニクスにおける界面の基礎を科学すると共に、酸化や温度変化による劣化といった実産業界における現象の理解とを進めております。

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