沖縄の文化 01 - 清明祭(シーミー)
お墓の清掃をする清明祭(シーミー)が4月に島中で見られます
沖縄では4月の週末に、亀の形をした亀甲墓の前に広がる中庭で沖縄の地元の人が集まって食事をしているのを見かけることが多々あるでしょう。これは清明祭(シーミー)と呼ばれる沖縄の伝統行事の一つです。 清明(シーミー)という言葉は、1年を24節気に分割する東アジアの太陰暦の5番目にあたる時期を意味する言葉です。5番目の節気は太陰暦では2月後半~3月前半にあたり、西洋歴では4月上旬に当たります。清明の漢字はそれぞれ、「清々しい」、そして「明るい」を意味します。ゆえに清明の時期は「天と地が清々しい明るい空気に満ちた時期」ということになります。
写真: http://www.kankou-nanjo.okinawa/
シーミーは西洋歴のだいたい4月5日ごろ(太陰暦の5番目の節気が始まるのがこのころです)から約2週間の期間に行われる家族の行事です。シーミーは祖先の慰霊祭です。家族のシーミーの日には、家族みんなで先祖代々受け継がれてきた墓を掃除し、亡き者に供物を捧げ、その後にお墓の前の広場で家から持参した食べ物をみんなで食べます。祖先が眠っている墓の前で食事をしながら家族みんなが仲良くしている様子を見せることは先祖への孝行になると考えられています。忘れてはならないのは、自分たちの祖先を祭らせてもらっている土地の神様に感謝の意を示すことです。
シーミーにはウサンミ(御三味)と呼ばれる重箱料理が用意されます。ウサンミは「天」
「地」「海」で採れた食材を使用して作られる神様、ご先祖への供え物としての食べ物です。ウサンミは通常漆塗りの四角い箱に詰められます。ウサンミを詰めた箱は積み上げられ、お墓に持っていかれます。
一般的なウサンミには、かまぼこ、厚揚げ豆腐、てんぷら、田芋、昆布、ごぼう、こんにゃく、三枚肉(豚のバラ肉)が入っています。
ウサンミと一緒に餅の入った重箱もお墓に持っていかれます。この箱には餅が9個か15個入っているのが常です。 2で割ることのできない数字は縁起が良いとされているからです。
写真: https://www.okinawastory.jp/
この行事でもう一つ興味深い事といえば、あの世でのお金と考えられている「ウチカビ(打ち紙)」と呼ばれる黄色い紙(以下の写真参照)が燃やされ、煙とともにあの世に住む先祖に送られるということです。このウチカビは沖縄のスーパーなどで販売されています。
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写真: https://ryukyushimpo.jp/
シーミーが各地で行われる期間、お墓へ向かう家族連れの車で沖縄自動車道を含む沖縄県内の道路の混雑が予想されます。以下の写真は「シーミーのために沖縄自動車道の許田ICの混雑が予測される」といった注意喚起です。
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