プロテオミクスに基づくヒトiPS細胞の分化最適化のための新しいプラットフォーム(No. 0122, 0212)

 
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概要

幹細胞は、体内のあらゆる特殊化した細胞に分化することができるため、再生医療において非常に重要な役割を担っています。人工多能性幹細胞(iPS細胞)は、成人の体細胞を化学的または遺伝的にリプログラミングし、胚性幹細胞のような振る舞いをするようにしたものです。iPS細胞を基本的な細胞型に分化させることは比較的容易ですが、結合して機能する神経細胞集団といった、完全に機能する組織をうまく構築するには大きな課題が残されています。このため、iPS細胞はまだ患者の治療には利用されていないのが現実です。高橋智幸教授が率いるOIST研究チームは、画期的なプロテオミクス手法を開発し、iPS細胞をより機能的で連結性の高い神経細胞や心筋細胞へと分化させるための成長因子とマスター転写因子の両方を特定することに成功しました。これは、iPS細胞を用いた治療の実用化に向けた大きな一歩となります。

スタッフサイエンティスト:
ザカリ・タウフィック

細胞分子シナプス機能ユニット

応用

  • 再生医療
  • iPS細胞分化の最適化
  • 診断と患者層別化

 

利点

  • より健康で、より機能的な細胞を作るための改良分化カクテル
  • 新しいマスター転写因子の同定
  • 他の細胞種へも適用可能

従来技術のHDプロテオミクスで同定できたタンパク質は3688種にとどまりましたが、 OISTのUDプロテオミクス・スクリーニングでは11025種もが同定

iPS細胞を神経細胞や心筋細胞へ迅速に分化させるための新たなマスター転写因子を同定

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技術のポイント

OISTの革新的な超高精細度(UD)プロテオミクススクリーニングには、従来の高精細度(HD)プロテオミクスに比べて3倍もの受容体タンパク質を定量的に同定できる独自のサンプル調製方法が含まれています。これにより、成長因子カクテルの最適化や新しいマスター転写因子の同定が可能となり、iPS細胞をより健康な細胞へと迅速に分化させることができます。このUDプロテオミクススクリーニング法は、心臓、皮膚、肝臓、血液、腎臓、肺、網膜、膵臓細胞など、あらゆる種類の組織に適用することが可能です。また、精神疾患患者のシナプスプロテオーム解析による診断・層別化ツールも開発中です。

 

メディア掲載・プレゼンテーション

 

問い合わせ先

  Graham Garner
技術移転セクション

  tls@oist.jp
  +81(0)98-966-8937