グルース学長から皆様へのメッセージ(2021年末)

友人の皆様、同僚の皆様、OISTコミュニティーの皆様へ

2021年も終わりに近づき、間もなく冬季休暇を迎えるにあたり、今年OISTが歩んだ道のりをご紹介したいと思います。11月1日、OISTは、著しい成長と業績、発見を重ねて開学10年目を迎えました。このような短期間で世界的に著名な大学院大学へと成長できたことは、OISTコミュニティのメンバー全員の努力、献身、尽力の賜物であり、心からお祝いと感謝を述べたいと思います。私たちは、今後のOISTの成長と発展を支えるための強固な基盤を築くことができました。

成功への道のりにはそれなりの困難がつきものですが、OISTはこの1年間まさにそれを経験しました。コロナ渦での新しい生活様式への移行、内閣府から任命された有識者会議によるOISTの取り組みと将来の発展に関する評価、新型コロナの影響により10周年記念式典を来年に延期せざるを得なかったこと、そして次年度以降の予算に関して財政的な制約を受け入れざるを得なかったこと、などが挙げられます。

日本を科学技術の最先端に導き、沖縄に持続可能な経済を構築して繁栄をもたらし、最先端の科学研究を通して知識の新境地を開拓するOISTの潜在的能力を今までにも増して確信しています。本年度は、既存の研究ユニットのプロジェクトが実を結ぶ一方で、研究者の受け入れにも成功し、研究ユニットが更に追加されました。これは、OISTの研究者が発表した質の高い研究論文の数が引き続き増加していることからも明らかです。最新の発表では、2015年から2020年の間に査読付き自然科学雑誌に掲載された全研究論文のうち、OISTが占める ネイチャー・インデックス・シェア の割合は、カリフォルニア工科大学、マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学に匹敵するものでした。そして現在、急速に拡大する産業界とのネットワーク、企業との新たな連携、OISTを中心としたイノベーションの拠点の継続的な追求を通じて、日本の技術開発とイノベーションを牽引していくことも考えています。

OISTは、更なる発展に向けた新たなステージに乗り出す成長期にありますが、政府の決定により予算が制限されることとなりました。OISTは今までに何度となく、地域社会発展のための大きな可能性を秘めていることを証明してきただけに、このことを残念に思います。私は引き続き、OISTの成長によって社会に最大限の利益が生まれるよう、多くの関係者の方々と真摯に向き合い、OISTと社会の進むべき道を切り開いてまいります。私たち一人一人が高いパフォーマンスを発揮し、 一丸となって本学の知名度を高めていかなければなりません。学際的な共同研究の価値を内外にアピールすることで、OISTの成長や多様な外部資金の獲得、社会的インパクトを実現して行きたいと思います。

新型コロナ

新型コロナ流行の2年目、命や生活に関わる大変化が続き、日本も長い間緊急事態宣言下にありました。

OISTのコミュニティーがこのように大変な時期を乗り切ったことを、私は誇りに感じています。皆さんが支え合い、懸命に働いてくださったことに感謝したいと思います。本学の研究者と学生は、ウイルスやその感染経路、ワクチンの有効性に関するタイムリーな研究を通じ、技術と知識を駆使して パンデミックに立ち向かいました 。また昨年5月に設置されたキャンパス内のPCR検査施設では、OISTと地元沖縄を対象に、5万件の検査を完了しました。モデルナ製の 新型コロナワクチンを提供してくださった日本の中央政府、そして協力してくださった沖縄県に感謝の意を表したいと思います。OISTキャンパスでは、OISTメンバーやその家族、地域住民など、約1,800人がワクチン接種を受けました。

科学研究、教育、イノベーションを軸に人類の進歩を目指す研究大学として、皆さんが一丸となって予防接種を行い、感染症対策を遵守し、地域社会を守っていくことを期待しています。

キャンパスにおける最新情報

私たちは、OISTの 新型コロナ下における「新しい生活様式」を確立するために並みならぬ努力を続け、不安定な状況の中でも新たなメンバーを迎えることができました。

今年経営陣に加わったのは、戦略プロジェクト担当シニア・アドバイザー、メラニー・チャットフィールド氏、技術開発イノベーション担当首席副学長 ギル・グラノットマイヤー氏 、財務担当副学長の 比嘉伊作氏 、大学コミュニティ支援・チャイルド・ユースサービス担当副学長の サマンサ・ロス博士 、施設担当副学長の スコット・ルディセル氏 、広報担当副学長の ヘザー・ヤング氏 、そして 芝田政之博士 が事務局長(代行)としてOISTに戻ってきてくださいました。力強く優れた仲間と一緒に働くことができることを大変嬉しく思います。皆さんを歓迎するとともに、OISTの次のフェーズに向けて、密に協力していきたいと思います。

本年は、ロバート・バックマン博士、ゴードン・アーバスノット教授、ケン・ピーチ博士など、OISTの発展に尽力したメンバーが退職しました。OISTの礎を築いて来た彼らの貴重な尽力に、深く感謝致します。

卓越した科学者やビジネスリーダー、ノーベル賞受賞者を役員に迎えることを重視する本学の姿勢を維持しつつ、新たなメンバーが理事会(BOG)と評議員会(BOC)に加わりました。2016年のノーベル化学賞受賞者であり、フローニンゲン大学ヤコブス・ファント・ホッフ分子化学特別教授でもある ベン・L・フェリンハ博士 、クオリティー・エレクトロダイナミクスの創業者兼CEOであり、キヤノンメディカルシステムズ株式会社(CMSC)のCTOである 藤田浩之氏 が理事(BOG)に加わりました。また、沖縄県副知事の謝花喜一郎氏、ウィズダムツリー・インベストメント社シニアアドバイザーのイェスパー・コール氏も評議員(BOC)に加わりました。皆さんを歓迎するとともに、緊密に協力していきたいと思います。

直近の教員採用では、「研究展望委員会2017」からの提言をもとに、「量子サイバーセキュリティー」のような国家的に重要な戦略的テーマ分野での採用と、公募による採用を実施しました。554件の応募の中から、11名に採用通知を出しました。また、ターゲットを絞った採用活動により、クリスティーヌ・ラスカム教授や根本香絵教授などの女性の新任教員を含む、多くの著名な教員をOISTに迎えました。これにより、2021年の教員数は83名となりました。

渡航制限が続く中、今年は43名の新入生を受け入れました。そのうち64%が海外からの留学生で、39%が女性です。5月には、昨年の新型コロナの影響で開催できなかった2021年と2020年の卒業生の門出を祝う第3回目の 学位記授与式 を行いました。41名の卒業生の功績が認められ、ハイブリッドのユニークな式を開催し、卒業生の多くはライブストリームで遠隔参加しました。私はこの大切な式を、とても心待ちにしておりましたので、実際に祝うことができて何よりでした。

第9期生が歓迎を受けて博士課程へ入学しました。与えられたチャンスを生かし、課題に取り組むよう激励されました。

一方、キャンパスの建設・拡充工事が本格的に続いています。「ザ・ガーデンズ」と呼ばれるキャンパス内の集合住宅が秋にオープンし、年内には全体が完成する予定です。第五研究棟は、来年2022年末の完成を目指しています。

キャリア・ディベロプメントは、OISTが大切にしている取り組みの一つであるため、OISTでは新たに、 Center for Professional Development and Inclusive Excellence (C-HUB) を設立しました。様々な活動やサービスを通じ、キャリア開発、自己啓発、生涯学習の機会を提供します。活動やサービスは、エビデンスに基づく実践と研究に基づいています。このセンターは、多様性、公平性、そして包括的な環境の中で、OISTコミュニティ全メンバーの成功を促進することを目的としており、教員、研究者、学生、事務職員を含む大学全体にサービスを提供します。

受賞と実績について

今年も多くの注目すべき受賞者を輩出し、功績を祝うことができました。マイクロ・バイオ・ナノ流体ユニットを率いる エイミー・シェン教授 は、流体力学分野への多大な貢献により、権威ある米国物理学会(APS)のフェローになりました。 北野宏明教授 は、ロボット工学、超並列AI、科学的発見やシステムバイオロジーのためのAI利用における多大な貢献とリーダーシップが認められ、米国人工知能学会(AAAI)のフェローに認定されました。低温電子顕微鏡ユニットを率いる マティアス・ウォルフ教授は、 エボラウイルスのヌクレカプシドの分子構造と集合体を明らかにした功績が認められ、オーストリアのフォアアールベルク科学賞を受賞しました。 シモーネ・ピゴロッティ教授 は、生物学的複雑性ユニットを率いており、今年、ゆらぎの熱力学の初の教科書「Stochastic Thermodynamics:An Introduction (確率的熱力学:入門)」を出版しました。また、OIST理事会(BOG)メンバーの 小谷元子博士 が、国際学術会議(ISC)の次期会長に選出され、2024年に会長職に就くことになりました。皆さんの成功を誇りに思い、心から祝福致します。

博士課程の学生である フリデリケ・メツ さんは、ヨーロッパのハッカソン、Qiskit Hackathon Europe 2021のイベントにチームで参加、優勝し、 ロマン・コシキンさん はGoogle Ph.D. Fellowship program in East Asiaの2021年グローバル賞を受賞者しました。皆様のご活躍を心よりお祝い申し上げます。 

OISTの 量子マシンユニット の研究者は、オーストラリアのクイーンズランド大学と共同で、複雑な量子システム内の粒子を機械学習によって正確に制御できることを初めて明らかにしました。山田洋輔博士、小宮怜奈博士、嘉部量太准教授は、科学技術振興機構(JST)が主催する権威ある長期プログラム「 FOREST(双発的研究支援事業) 」に採択されました。

新型コロナ関連の重要かつタイムリーな研究として、昨年、名誉ある日本国際賞を受賞したスバンテ・ペーボ教授とその同僚は、ネアンデルタール人から受け継がれた 遺伝子変異体 により、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクを約20%低減することを明らかにしました。ロスティ教授のチームは、咳のような乱流の吐息が異なる環境でどのように振る舞うかを説明する新モデルを構築し、 新型コロナウイルスの感染経路の解明 に取り組みました。

沖縄の天然生物資源とその起源に焦点を当てた研究では、沖縄で愛されている果実「 シークヮーサー 」のゲノム配列を明らかにすることで、マンダリン類に属する柑橘類の多様性がどのようにして生まれたのかという謎を解き明かしました。人間の健康的な加齢を理解するというテーマでは、柳田充弘教授と筆頭著者の照屋貴之博士が、全血サンプルから分離した33種類の 代謝化合物が認知症と関連している ことを示す最新の研究を発表しました。この成果は、分子診断に向けて一歩前進したと言えるものです。先日退職されたゴードン・アーバスノット教授とそのチームが、 物に手を伸ばしたり掴んだり といった一見単純な作業を行うために、脳内のさまざまな種類の神経細胞がどのように連携しているかを解明しました。これは、パーキンソン病やハンチントン病などの神経変性疾患の治療法を発見することを可能にする研究に対し重要な貢献をするものです。

今年度は、OIST財団とのパートナーシップにより、3つの新しい基金を立ち上げました。 リタ・R・コルウェル・インパクト基金 は、元米国国立科学財団理事でOIST理事でもあるリタ・コルウェル教授の功績を称えて設立されました。この基金は、科学分野で活躍する女性を広く支援するもので、沖縄の少女たちが科学に興味を持つきっかけを提供する助成も含まれています。 仲宗根松郎・ツル子基金  は、ロバート・ナカソネ氏からの寛大な寄付により、主に低学年や女子を対象とした体験型の科学教育活動を支援するために設立されました。そしてOISTによるSTEMアウトリーチ活動を支援するため、沖縄の恵まれない青少年に焦点を当てた 正清浩‐せいしょうこう基金 を設立しました。

また、開学10周年を記念して、OIST財団のご厚意により、ニューヨークで製作され、東京で修復された1927年(黄金時代)の スタインウェイ・ピアノをご寄贈いただきました 。上野隆司先生とOIST財団に深く感謝いたします。OIST財団の音楽親善大使を務めるヴァイオリニストの加野景子さんが、沖縄出身のピアニスト、大藪祐歌さんとともに華やかな演奏を披露し、お祝いのコンサートが開催されました。設立以来2年間、OIST財団はOISTの知名度向上に多大な貢献をしてきましたが、これもひとえに財団のメンバーや支援者の皆様のおかげであると感謝しています。

沖縄とのイニシアチブにおける前進

今年度、OISTは、沖縄の次世代のための教育活動、科学技術やイノベーションの成果や才能に由来する インパクト のあるプロジェクト、沖縄の 自然環境 を守るための活動などを通じて、地域社会と連携する機会が数多くありました。

世界中から集まった、各分野で卓越した実績を持つOISTの教員や研究者は、 沖縄の子どもたち のための良い手本となるよう努めています。子供たちに科学の楽しさを知ってもらうための、代表的な家族向けイベントである OISTサイエンスフェスタ は、今年はオンライン開催され、3,000人の参加者が新型コロナや沖縄における外来種侵入などの様々なテーマについて議論を交わしました。最近では、ちょうど今月、 SCORE!プログラム の第10回目となるイベント「Science in Okinawa」を開催しました。このイベントは、在沖縄米国総領事館が共催、沖縄県教育委員会、沖縄県とOIST推進協議会が後援しています。このイベントでは、体験型の科学教育に取り組みながら起業家精神を育む機会を設け、6つの高校の生徒が参加しました。

今年のサイエンス・フェスタはオンラインで開催され、研究者やOISTコミュニティメンバーは、ライブストリーミングとビデオを組み合わせて使用しました。

環境面では、沖縄県、琉球大学、環境省沖縄・奄美自然環境事務所など6者間で、「沖縄における世界遺産の保全管理の連携 協定 」を締結しました。

沖縄県北部地域の世界自然遺産管理に関する協定書に、7つの機関の代表者が署名。

2021年OISTは、すべての人にとってより良い、より持続可能な未来を創造することを宣言しました。これに関連して、国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を受けて、全学的な サステナビリティ・イニシアチブ を開始しました。内閣府から「日本のSDGs未来都市」の一つとして表彰された 恩納村 は、具体的に行動を起こすパートナーとしてOISTを迎え入れて下さいました。SDGsイニシアチブは、「 行動の10年 」の最初の年に、ワーキンググループを通じた部門横断的な学内プロジェクトを促進するためのプラットフォームとフォーラムを作りました。また、17の持続可能な開発目標(SDGs)を推進するために、OISTと他のSDGsパートナー機関、大学や産業界の持続可能性ネットワークでは、地域、国内、世界規模での知識の交流の中心となっています。科学的知識の新たなフロンティアを開拓しようとするダイナミックで先駆的な多文化大学院大学として、私たちは関係者と関わり、より持続可能な未来に向けて世界を軌道に乗せるための新たな道筋を定義するユニークな機会を得ています。 

OIST「持続可能な開発目標に向けた行動の10年」をスタート

イノベーション・エコシステム

今年初め、OISTは Beyond Next Venturesと新たな提携 を発表し、ディープテック分野のスタートアップ企業に特化したイノベーションハブを設立しました。OIST-BNVイノベーションハブ(OBI-Hub)は、イノベーションを市場に投入するために必要な金融投資やカスタマイズされたビジネスサービスを利用したいと考えている世界中のスタートアップ企業のためのプラットフォームとして立ち上げられました。OISTとBNVは、OBI-Hubを通じて、今後2年間で約5億円の資金を提供することを目指しています。

今年度より、産業界との連携プログラム「 Innovation Network @OIST(INO)」を開始しました。INOは、日本企業や多国籍企業がOISTの研究、教育、イノベーション活動を紹介するゲートウェイとして設計されており、長期的な協力関係の構築を目指しています。2021年には13社の創設メンバーがINOに参加しましたが、今後もOISTとの連携に関心を持つ多くのメンバーを迎え入れたいと考えています。

5月、イノベーション・スクエアのスタートアップ・アクセラレーター・プログラムに 新たに2チーム を迎え入れました。1つ目のチーム「GenomeMiner」は、微生物に含まれる有用な化合物を特定し、すぐに商品化できるようなプラットフォームを開発しています。もう1つのチームは、女性の健康に統合的なアプローチを提供することを目指している「Menopause and Beyond」です。これらのプロジェクトは、国内外の市場で大きな可能性を秘めており、OISTや沖縄に適しています。スタートアップアクセラレータプログラムは、OISTの重要な戦略的パートナーである沖縄県庁からも引き続き支援を受けています。

OIST生まれのスタートアップ企業である EF Polymer は、総額4,000万円のシードラウンド資金調達を完了しました。OISTスタートアップ・アクセラレータ・プログラムから生まれた企業ととしては初めての資金調達例で、今後も多くの企業が資金調達を行う予定です。 

学術・産業界との連携

今年の顕著な成果は、著名な企業や学術団体との国内外のネットワークが拡大したことです。

日本国内では、多くの科学分野で質の高い研究を行っている日本最大の総合研究機関である理化学研究所をはじめとする複数の著名な研究機関との連携を強化しました。8月には、両機関が研究協力および連携大学院制度の実施に関する 協定 を締結し、10月には、AIと神経科学の融合をテーマとした「第2回 OIST-RIKENシンポジウム」を開催しました。

OIST-RIKEN合同シンポジウムは、" 青と緑の惑星:生態系の研究は、どのように私たちの未来を形作ることができるか? "をテーマに開催され、私たちの住む地球の環境が直面している、一見避けられない難解な問題を解決するための学際的なアプローチを探求し、促進することを目的としています。

東北大学とは、OISTの研究者が共同で助成金を申請しました。京都大学、大阪大学、東京大学、慶應義塾大学と共同で、ショーケース・トーク、ワークショップ、シンポジウムなどのオンラインイベントを開催しました。

国際的なネットワークを活かし、ソルボンヌ大学やエルサレム・ヘブライ大学と協力してオンラインワークショップを実施したり、共同研究プロジェクトのための助成金を申請しました。7月には、ハワイの非営利団体「Kuaʻāina Ulu ʻAuamo(KUA)」と共同で、第1回「 SHIMA:沖縄-ハワイSTEM教育コラボレーション 」を開催しました。この科学教育ワークショップは、沖縄とハワイの異文化間の学習交流を促進することを目的としています。

企業との共同研究や、アジア・ソサエティー・ジャパン、経済同友会などとの共同イベントを通じて、ビジネス界との関係も拡大・強化しました。さらには、 琉球フットボールクラブ(FC琉球)と提携し 、脳科学がサッカーのパフォーマンスを向上させるために利用できるかどうかを検討しました。この共同研究から得られる知見は、チームスポーツにおけるプロ選手のパフォーマンス向上に貢献できるかもしれません。

OISTとFC琉球は、チームスポーツにおけるプロ選手のパフォーマンスを脳科学的に理解し、向上させることを目的としたパートナーシップを開始しました。

皆様に感謝を捧げながら

今年は、多くの新しい取り組みや連携、そして成果に満ちた一年となりました。新型コロナ感染症の大流行から立ち上がろうとしつつある中での、OISTコミュニティ全員の強い意志を誇りに思っています。

今年、世界的なチェロ奏者であるヨーヨー・マ氏が バッハ・プロジェクトツアーで沖縄を訪れた ことは、キャンパスに喜びをもたらしただけでなく、長く続いた緊急事態がようやく明けた時に、大きな癒しを与えてくれました。

ヨーヨー・マ氏が11月にOISTを訪れ、芸術と科学の接点を探るべく、OISTの研究者と交流しました。

創立10周年記念事業の一環として、サイエンス×アート展を開催しました。クリエイティブでバイタリティのあるOISTコミュニティは、コロナ感染流行や予算の制約といった課題を克服し、速やかな成功への道を歩むことができるという希望に満ちたメッセージが発信されました。来年は、 10周年記念 の機会に、私たちが乗り越えてきた多くのことを一緒にお祝いできることを楽しみにしています。

ギャラリートンネル内では、革新的で多様性に富んだ、過去10年間のOISTの研究を垣間見ることができる「OIST Images of Science Exhibition」を開催中。

皆様が平穏な新年を迎えられることをお祈りいたします。2022年には、より大きな目標があり、成し遂げるべきことが数多く控えています。この休暇中に心と体をリフレッシュし、チャンスに満ちた来年を楽しみにしましょう。

ピーター・グルース
学長兼理事長
沖縄科学技術大学院大学