生態・進化学ユニット (アレキサンダー・ミケェエブ)

ユニットの概要

アレキサンダー・セルゲイェヴィッチ・ミケェエブ

生態・進化学ユニット

アレキサンダー・ミケェエブ 准教授

alexander.mikheyev at oist.jp

 

ユニット最新情報

アレキサンダー・ミケェエブ博士の The American Naturalist に掲載された研究について Science Now が報じました。

研究

概要

私達は多様な学際的関心を持ったグループです。私達の主な目標は、生態学と進化における根本的な問題を、多様な研究システムにおける豊富な博物学的研究と分子生物学の最新ツールを合体させることによって扱うことです。

ワムシの進化遺伝学

ヒルガタワムシは世界中に分布している小型の淡水棲無脊椎動物です。明らかに有性生殖はしておらず、またどのようなライフステージにおいても乾燥に耐えることができます。二対の退化染色体からなるヒルガタ目ゲノムは、乾燥の途中で断片化します。ゲノム断片は再水和の過程で明らかに再集合されますが、この過程で外因性DNAを時折組み込むと思われます。その結果、ヒルガタ目はバクテリア、菌類、植物に由来すると思われる遺伝子を持つことになります。取り込まれた異種遺伝子の一部には欠陥があるように見えますが、他の異種遺伝子は無傷で転写されます。明らかにバクテリアを起源とする遺伝子の一部は、機能性スプライセオソーム型イントロンを獲得し、活性酵素を生み出します。これは、外来性遺伝子の取り込みと機能的同化がヒルガタ目の進化において重要な力を持っている可能性を示唆しています。私達は、ワムシのゲノム進化において遺伝子の水平移動が果たす役割を理解し、このシステムを使って有性生殖の目的についての仮説を試すことに関心を持っています。

微生物学を重視した群集生態学

世界における種の分布は一様ではありません。種の分布パターンは、これまで博物学者の関心の的となっていました。こうした初期の知見は、生物学的過程、特にダーウィンとウォレスによる、島々における種の分布に基づいて生み出された進化論への基本的な洞察をもたらしました。しかしながら、何世紀もの調査にもかかわらず、生物群集がどのようにして形成され、それらがどのように進化するかについては、相対的にまだわずかしかわかっていません。
近年、技術の進歩によって微生物群集生態学という新たな分野が確立されました。私達は、サイズの大きな動物と小さな動物間の群集レベルの過程における類似点と相違点を理解することに関心を持っています。例えば、古典的な群集生態学理論はどの程度まで「ミクロな」尺度で展開されるでしょうか。また、微生物を使った実験が、動物および植物の群集に関する私達の解釈にどのような影響を与えるのでしょうか。

社会性膜翅目(特にアリ)の進化

真核細胞の起源および多細胞性の起源以来、高度な社会性(真社会性)の進化は、生物学において主要な組織的変遷のひとつでした。一億年以上にわたり真社会性を維持してきたアリは、社会性に固有である協力と対立の間のバランスを学ぶうえでの優れた研究材料となります。同様に、私達は新しいゲノム科学的研究手法の出現に伴い、真社会性が自然淘汰の本質そして進化全般に対して与える結果を探究し始めています。